若冲伝本ダウンロード無料pdf
若冲伝
によって 佐藤康宏
5 5つ星のうち(2人の読者)
若冲伝本ダウンロード無料pdf - 内容紹介 濃密な花鳥画に代表される数多の名作はどのように生まれたのか。家族、禅、ジェンダー、時代……多角的視点でその背景を解き明かす。見えてきた画業と生涯とは。若冲研究の第一人者によって書き下ろされた、いま最も新しく最も詳しい評伝の決定版。カラー口絵、本文図版多数。 第1章 市場の画家 第2章 模写と写生――初期作品 第3章 「動植綵絵」――制作の経緯と表現の特色 第4章 黒の若冲――水墨画と版画、「綵絵」以後 第5章 物好きの晩年、そして没後 内容(「BOOK」データベースより) 「私の画の価値がわかる者を千年待つ」と若冲は言った。現時点でもっとも新しくもっとも詳しい若冲の評伝。最先端の研究家による書き下ろし決定版! 商品の説明をすべて表示する
若冲伝の詳細
本のタイトル : 若冲伝
作者 : 佐藤康宏
ISBN-10 : 4309256171
発売日 : 2019/2/15
カテゴリ : 本
ファイル名 : 若冲伝.pdf
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以下は、若冲伝に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
東京大学文学部教授(美術史学)の佐藤康宏さんの40年以上にわたる若冲研究の集大成ともいえる評伝でしょう。卒業論文に若冲を選んだ筆者の強い思いが全編に感じられる見事な内容でした。当方も美術愛好家の端くれとして、これまで多くの若冲研究の書と出会い、何回となく若冲の美術展を鑑賞してきました。つい先日も、京都高島屋にて展覧会「没後220年 京都の若冲とゆかりの寺 -いのちの輝き-」を鑑賞してきたばかりです。本書に紹介される作品を間近に見直すことで、この書籍の表す意味合いをより学習できたと思っています。辻惟雄氏、小林忠氏、狩野博幸氏など、伊藤若冲への先行研究(文献一覧は265p以下に所収)を丁寧に示しながら、持論を展開する流れが本書の至る所で確認でき、近年の数多の刊行物とは質の違いを示すものでした。名著誕生の瞬間に出会えた気分です。良く知られているように、若冲は錦小路高倉東南角の青物問屋の主人でしたので、本書はそこからスタートしています。後に黄檗僧になるわけで(181p)、実に波乱万丈の生涯だと言っても過言ではないでしょう。1788年には天明の大火(210p)で家や作品まで焼失してしまうわけですから。若冲の画風は一見して明画のようです。多くの絵師と同様、最初は狩野派の画法を模写して学んでおり(36p)、次に宋元画の模写(45p)に励みました。濃彩の花鳥画を題材にした画風は今でこそ大いに評価されていますが、戦前の日本画壇や美術史家から冷遇されてきました。江戸絵画自体の評価が低い時代が続きましたが、現代の目から見て、これだけの特異な画風を確立した絵師はほとんど類をみません。第3章「『動植綵絵』―制作の経緯と表現の特色」の章は、実に読み応えのある研究でした。元々相国寺に寄進された伊藤若冲の畢生の大作『動植綵絵』ですが、現在は宮内庁三の丸尚蔵館に収まっています。疲弊していた相国寺が宮内省に献上し1万円の下附金があり、これで寺地が戻ったそうです(261p)。若冲の思いとは別に、相国寺にとってはとてもありがたい寄進だったわけです。『動植綵絵』を解説した章では、微細な部分まで精緻に描きこまれた魅力をできるだけ丁寧に分かり易く説明していました。口絵以外は、惜しむらくはすべてモノクロでの掲載です。自宅にある若冲の画集を横に置きながら、解説と共にその作品をつぶさに確認しました。写実的でありながら非現実的なモティーフがまた異能の画家の本領発揮と言えるでしょう。彩色・裏彩色・裏打ちの技法については111p以降に説明がありました。やはり絵画を知るには技法の解明は必須です。特に112ページに書かれている西洋の絵具、プルシアンブルーの使用に関して記述について「めだたない『群魚図』のルリハタにだけ用いるという割の合わないことをしただろうか、といった疑問は残る」と述べていました。今後の研究の深化が望まれるところです。優れた研究書ですが、一般の読者を意識した平易な語り口が理解を助けてくれます。一級の啓蒙書だと言えるでしょう。良い本と出合いました。
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